私のおなかの中で蟲が、
蟲が蠢いています。
 
「なんて顔をしているの」
 
だって
蟲が
 
私は食い破られて死んでしまうの?
うずくまって泣きじゃくっていたら、
帽子男がやってきた。
(帽子男は帽子をかぶっている)
 
「虫下しをお飲みなさい」
帽子男はそっと私に包みを握らせた。
けれど私は、
この蟲を捨てて生きていくことは考えられなかったから、
虫下しを乞食に与えた。
 
私のおなかの中で蟲が、
蟲が蠢いています。